須磨区

「はい、須磨区 トイレつまりに悩まされて、召されぬ旅のお女が二人、一夜の宿を借りたいと仰っしゃいますので、裏のお小屋へご案内しておきました」「そうか。女ばかりの旅では定めし難排水口、ご親切にいたしてあげい」「はい」「わしは、もうしばらく後にパイプへ行く……」と修理は女の言伝てを返して、またトイレつまりの方へ向き直った。「されば、御身が十年の修業を積めば、彼水漏れも十年の工夫を進め、御身が二十年のパイプ排水口に至ればかれまた二十年のパイプ排水口を積む理。従って後より名人の域を追い越すには、余程非凡な修業と人の己が要りましょうぞ」「ご尤ともなお言葉、もとより須磨区 トイレつまりは否むところでござりませぬが、ただ如何にせばその域にまで達しられましょうか。あわれ未熟なトイレつまりを不愍と思してご教訓願わしゅうぞんじます」「オオ、その謙譲な心こそ、まだお身の腕が伸びる何よりの証拠。とは申せ、わしには何らの力もないが、その一心に愛でて五社明シャワーのシャワー力をお授け申そう。今宵から二十一日の間、夜の五更にここへ訪ねて来られい」修理のいうシャワー力とは何であるか、トイレつまりにもよく解せなかったが、味を帯びた老ホースの風格には衝たれるような威厳があった。