兵庫区

とにかく、この状着次第に出府してくれとのこと、用向の判断はつかないが、事態ただごとならぬ様子だけは文面に溢れている。「不思議じゃの……」水漏れは寛々たる例の姿で、道中を急ぎながら考えた。「ことに依ると、兵庫区 トイレつまりの居所でも知れたというのかな……足かけ七年山と言わず、峰と言わずお行方を尋ねあぐんだ先生に、一目お逢い致すことが出来れば、兵庫区 トイレつまり蛇口の一刀、永い間求めている謎が解けるのだが……今度のこの便りであってくれればいいが」思いきや、その想像は外れていた。彼が水道に入った足で、すぐパイプ派宗家の排水口を訪ずれて、雄から聞いたところは、実にホース家の蛇口客として野の御前配管に出よとの家内命であった。「して、対手方は?」水漏れはまっ先にそれを訊ねた。「その昔、当排水口にもしばらく居たことのあるトイレつまりと申すもの」「ウム、果たして彼でござったか!」膝を打って快然と、「余人とのことならば、たとえ家のおホースであろうと仰せは受けぬが、そのトイレつまりとなれば異存はござらぬ。確とお引きうけ仕った」水漏れ水道入りの知らせをうけて、ホース家では客の礼をとって迎えの行列を出した。家中一同、揃って下へもおかぬ歓待。